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 建築の「改修」は近年ますます身近なものになりつつある。12月号では、特集、特別記事ともに改修や再生の事例を様々な側面から紹介する。


[特集]


改修のいま

 建物自体の価値や周囲の歴史的な景観に価値が見出されることで改修されたり、費用的な面からも建築の改修が選択されるが、とくに住宅のような暮らしと密接に関わるような建物の場合は、住まい手にとっての快適さをつくり出すこととの両立とそのバランスが重要になる。特集で紹介する7軒は、それぞれの建築家たちが住まい手の想いを汲み取りながら、残されることとなった家を丁寧に読み取り、その家がもつ地域性や価値、歴史を次世代へとつなぐとともに、現代の住まい手にとって居心地の良い住まいがつくり出されている。


大正期の民家に伝統と快適さを求めて
橿原の家  設計=藤岡建築研究室/藤岡龍介

写真=市川靖史

曾祖父の暮らした家を住み継ぐ
旧・正力松太郎邸  
設計=和温スタジオ/小柳理恵 HandiHouse project/加藤渓一

写真=山田新治郎


細かやな工夫で豊かに暮らす都心の住まい
富士見の家   設計=古谷デザイン建築設計事務所/古谷俊一

写真=山田新治郎


風の通り抜ける心地良い現代の町家
膳所の改築   設計=ELEPHANTdesign/門脇和正

写真=市川靖史



新旧の混在がつくる魅力
堺の長屋   設計=タカヤマ建築事務所/高山佳久

写真=笹倉洋平


歴史ある町並みのなかの住まいを考える
今井の三軒長屋   設計=吉村理建築設計事務所

写真=白谷賢


築80年の空き家を活用、しごと創生の拠点に
勝央こころざしシェアスペース 
設計=スタジオアルテック+k2-foundation/室伏暢人+河原崎和也

写真=白谷賢



[特別記事]

簡単な技術で改修を 想いをかたちにするために

 「手を動かし、現場でつくる」。たくさんのスケッチを描いて現場の職人と打ち合わせを重ね、ときには自分で施工もしてしまう。建築家・岸上勝彦さんと丸山寛文さんがつくり出す建築の魅力だ。
 岸上さんは、左官職人だった父自らが建てた家を引き継ぎ、家族の思い出とこれからを包み込むような改修を行った。丸山さんは、設計・施工・建主の三者が一体となり、温室をギャラリー兼工房に改修した。鈴木恂さんに師事した岸上さんとその岸上さんに師事した丸山さん。それぞれの師の下での経験と個性を建築に表現しながらも「現場でつくる」ということを軸に据えた建築である。

父の建てた家を想い出とともに改修
HORICOM   設計=岸上勝彦+明建築工作舎

写真=母倉知樹


設計・施工・建主〈三位一体〉でつくる
NO WAVE   設計=丸山寛文建築設計事務所

写真=笹倉洋平



[特別記事2]

降幡廣信の仕事 津島湊の民家再生──2題

 津島湊は現在の愛知県津島市にあった貿易港で、600年の歴史をもつ津島神社で行われる津島天王祭は日本の三大水祭りのひとつに数えられる。その津島天王祭を守り支えてきた渡邉家、岡本家の長い歴史をもつ住まいを降幡廣信さんが再生。2軒とも、現代の改修によって手が加えられていた。渡邉家は農家としての土間空間としての魅力を蘇らせることを軸に、岡本家は前庭と4つの茶室の復元を中心に再生が進められた。長い歴史をもつ両家の重みを受け止める丁寧な再生が実現している。

時代ごとの当主の思いをそのままに再生
渡邉邸   設計=降幡建築設計事務所/降幡廣信

写真=秋山実


450年の歴史ある岡本家本来の姿に復元
岡本邸   設計=降幡建築設計事務所/降幡廣信

写真=秋山実




[シリーズ]
研究室からフィールドへ 第31回 
加子母木匠塾2017
金沢工業大学/京都大学/京都工芸繊維大学/京都造形芸術大学/滋賀県立大学/東洋大学/名城大学/立命館大学


[連載] 
アトリエCOSMOSの木造建築 第13回
「上屋敷ガーデン」─中庭を挟んだ「向こう六軒両隣」─ 
 白鳥健二


[講演会レポート]
 『住宅建築』2017年4月号発売記念講演会
  松隈洋「地域に根付くモダニズム建築」

[書評]
 文=金澤良春
 土田昇 著『職人の近代 道具鍛冶千代鶴是秀の変容』(みすず書房、2017年)     
イベント・ニュース 
プロフィール
次号予告


 


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