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 建築には、理論だけでは語れない夢や情緒、物語がある。建築における「ロマンチック」を探る8月号。


[特集]


住まいのなかのロマンチック

 機械もない時代に人々の手で運び積み上げられ、完成したピラミッド。「ピラミッドのアーキテクトは、このような(建築に従事する)人々の想いに押し上げられることによってしか、この単純で高度な「建築」はつくれなかったと思う」。巻頭論での中川武氏の言葉。「ロマンチック」という言葉も「ロマンチックな建築」も定義づけることは難しいが、今回取り上げた作品は、住み手や利用者の想いを丁寧に汲み取り、自然や周囲の環境、モノとの関係、人と人との関係を近づけるような建築である。それは人と建築が対話をするような、新たな物語を呼び寄せるような建築である。

「物語」に「ロマンチシズム」の風を  中川武

写真=藤塚光政


都心の森のなかに佇む神殿
森 FOREST  設計=椎名英三建築設計事務所

写真=傍島利浩

宇宙・自然・聖性・建築・ロマン  文=椎名英三

構造体のなかで、情緒豊かに暮らす
立山の家   設計=MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO/原田真宏+原田麻魚

写真=傍島利浩


雪景色に佇む光の金閣
芹ヶ沢の別荘   設計=内海智行/ミリグラムスタジオ

写真=傍島利浩


時代家具と共に住まう
「城下町」N邸   設計=環境計画建築研究所/矢田和弘

写真=白谷賢


光と自然を取り込むくつろぎの場
鞘ヶ谷の家   設計=柳瀬真澄建築設計工房

写真=石井紀久


レーモンド設計の住宅を改修した癒しの空間
熱海のゲストハウス   設計=吉本剛建築研究室

写真=傍島利浩


ロマンチックな写真群
ジャイプルのシティフレーム  写真・文=藤塚光政



ストックホルム市立図書館 設計=グンナール・アスプルンド 写真・文=宮本和義



森の墓地  
設計=グンナール・アスプルンド、シーグルド・レヴェレンツ 写真・文=宮本和義


生闘学舎 設計=高須賀晋 写真・文=畑亮



[特別記事]

民家は受け継がれる

 「すぎの木の家」は力強いマツの梁組みと間取りを活かし移築再生した住まい。古民家を再生する事例は増えてきているが、民家の本質を理解しないまま改築されてしまう場合もある。一方で、所有者が民家を手放して、空き家となってしまう問題も起きている。「民家を受け継ぐことはその土地の文化を受け継ぐこと」「人が死んでも民家は残り、新たな世代へと受け継がれていく」。設計者と住み手、そして大工の想いであり、民家の本質を示す言葉であるように思う。改めて、これからの日本の家の姿を考えてみたい。

力強い梁組みと空間の魅力を活かす移築再生
すぎの木の家   設計=里山建築研究所

写真=齋藤さだむ


座談 古民家の文化に寄り添う暮らし   藤川昌樹・藤川澪子・安藤邦廣・居島真紀


実測図面が語るもの その6

坂倉準三のデビュー作「飯箸邸」U モダニズムの骨

 金澤良春

 前回に引き続き「飯箸邸」を実測図面から読み解く。「飯箸邸」の茶室に注目してみると、ここにL型の屋根を掛けるため、柱を移動し、結果的に茶室が大きくなったという。つまりプランよりも屋根をかけるための技術的な点が優先されたことになる。一方で、前川國男の最初の自邸は南妻面中央に立つ柱が特徴的だが、実は構造的に合理的なものではない。伊勢神宮の棟持ち柱から影響を受けたともされる前川自邸の柱だが、そもそも伊勢神宮の柱も合理性に欠けたものであり、意匠的な側面が強いものであった。「飯箸邸」のようなモダニズムとは異なるモダニズムも始まっていた。



[シリーズ]

研究室からフィールドへ 第29回 
慶應義塾大学SFC環境情報学部 松川昌平研究室
植物を育てるように建築を育てる

アルキテクトーム 「SBCセンター」


[連載] 

アトリエCOSMOSの木造建築 第11回
空間を分ける─「由比ヶ浜の家」と「辻堂海岸の家」から読み解く─ 
 白鳥健二

[講演会レポート]
 『住宅建築』2016年12月号発売記念講演会
  竹原義二・椎名英三「混構造の先達に学ぶ 石井修と宮脇檀」

[書評]
 文=福島加津也
 今和次郎 著『日本の民家』(岩波書店、1989年)、青木淳+後藤治+田中禎彦+西沢大良 著『日本の建築空間』(新建築社、2005年)、村松貞次郎 著『日本近代建築技術史』(彰国社、1976年)
    
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